ヨガは長い間、優れたストレス解消法として認識されてきた。というのも、運動や呼吸の仕方、心の浄化、体をリラックスさせる方法を学ぶなど、ストレスを解消するための実践をいくつか取り入れているからだろう。昨今、ヨガの人気が高まるにつれて、ストレスフルな現代社会の中で、この古くから伝わるヨガの良さを見出す人が増えている。ヨガを定期的に行えば、それがもたらすプラスの影響が目に見えてわかると思うが、ヨガをする暇なんてない…と諦めている初心者の人に向けて、ヨガがどれだけストレス解消に役立つかをご紹介しよう。

エクササイズ

一般的に、ポーズをとる肉体的なヨガの流派は、「ハタヨガ」として知られている。ハタヨガには様々なスタイルがあり、ゆったりとしたストレッチに特化したものから、激しいワークアウトに特化したものまである。ストレスを解消するためには、どのスタイルが良いという決まりは特にないので、自分の体力や性格に合ったものを選ぼう。

どんなスタイルのヨガでも、体を健康に保ち、エンドルフィン(気分を良くする天然物質)を生成することで、ストレス軽減に役立つ可能性があるうえ、ストレッチによって緊張を和らげることもできるだろう。ヨガのストレッチは、腰や肩など、問題のある部位のストレスを和らげることに特化している。そのため、腰痛持ちの人からも、ヨガは絶大な人気がある。

呼吸法

プラナヤマ(呼吸法)は、ヨガの練習には欠かせない要素であり、日常生活でも十分に活用できるものだ。ヨガでは、少なくともリラックスするための方法として、呼吸法を習得することが促される。そもそも呼吸は、人間にとって不随意の行動であるが(生きていくためにしなければならない)、実は管理することもできるのだ。深呼吸することを学び、それがストレスの多い状況に対処するための早道であることを理解するだけでも、かなり役立つだろう。

心の浄化

私たち人間の思考は常に忙しく、次から次へとアイデアを出し続けている。将来の状況を想像し、過去の出来事に思いを馳せている。このような頭の体操は、かなり疲れるし、不快なものである。そこで、ヨガが効果的だ。なぜなら、ヨガでは、モンキーマインド(猿の心)をコントロールする方法を数多く提供しているからだ。第一は、先に述べたように、「呼吸法」である。ひとつひとつの呼吸が、今この瞬間と本質的につながっている、と考えられる。過去や未来の呼吸ではなく、今しかない呼吸なのだ。

ヨガが教える心の浄化方法としては、吸う息と吐く息のひとつひとつに集中し、他のいかなる考えを排除すること。これは基本的な瞑想法でもある。第二に、ヨガの「アーサナ(体位)」の練習も、一種の瞑想のようなものだ。体を動かし、全神経を集中させることで、余計な考えや問題が頭から消え、本当の意味で脳が休息することができる。

リラクゼーション

ヨガのレッスンの最後には、5〜10分間、シャヴァーサナ(死体のポーズ)でリラックスしよう。リラクゼーションとして必ず行うこの姿勢は、最初は難しいと感じるかもしれないが、最終的には身体と心を完全に解放するという目的を達成できる。シャヴァーサナをうまく実践できるようになると、若返った自分をこの世に送り出してくれるように感じられ、日常生活でストレスに対処するスキルを身につけられるだろう。この一連のヨガニードラ(ヨガの眠り)は、より長く深いリラクゼーションを可能にする技法であり、ストレス解消法である瞑想への入門でもある。